本作は、モダン・ジャズ史上屈指の人気曲「クレオパトラの夢」を含むピアノ・トリオの名盤。全曲オリジナルによる中期バド・パウエルの天才の輝き。ブルーノートが記録した偉大なる「ジ・アメイジング」シリーズ全5作の最終章。 (C)RS
モダン・ジャズ・ピアノの元祖といわれるバド・パウエルの鬼気迫る演奏を聴きたいのなら、『The Amazing Bud Powell』のVol.1かVol.2、あるいは『バド・パウエルの芸術』といったアルバムを聴けばいい。しかしパウエルの作品中、日本でもっとも人気があり、愛されているのは間違いなく本作だろう。ポール・チェンバース&アート・テイラーとのトリオで、全曲オリジナルを演奏している58年録音作。
なぜそれほど人気があるのか不思議に思う人は、とにかく、まず聴いてみてほしい。一番の人気曲は< 1 >なので、すぐにその魅力を納得するだろう。あれ、どこかで聴いたことある曲だなと思う人も多いのではないか。それもそのはずで、この曲は何度となく、CFやテレビ番組のテーマ曲に使われてきた。「クレオパトラの夢」という日本題はどこかエキゾチックで心ひかれるものがあるけれど、演奏を聴くと、さらに好きになってしまうはずだ。この曲が醸しだす、なんとも名状しがたい哀愁。これこそが本作の人気の秘密なのである。(市川正二)
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ディスク:1
1. クレオパトラの夢
2. デュイッド・ディード
3. ダウン・ウィズ・イット
4. ダンスランド
5. ボーダリック
6. クロッシン・ザ・チャンネル
7. カミン・アップ
8. ゲッティン・ゼア
9. ザ・シーン・チェンジズ