バド・パウエルが1949年・51年・53年にブルーノートに録音した演奏は、これまで2枚のLPないしはCDで発売されてきた。これはそれらをすべて録音順に収録した2枚組。しかも初登場の別テイク4曲と未発表1曲が追加されていて、しかもDISC1に関してはオリジナル・ラッカー盤からのデジタル・リマスターということで、なにかと話題になっている完全版。
トリオ演奏が中心だが、49年のセッションにはファッツ・ナヴァロ&ソニー・ロリンズが参加したクインテット演奏、53年録音には一部ソロ・ピアノも含まれている。これらの演奏は、天才パウエルが文字通り天才だった時代のものなので、閃きに満ちた演奏の連続だ。特にDISC1<14>はパウエルとマックス・ローチのせめぎ合いが異様な空気を醸し出していて、何度聴いても鳥肌が立つ。録音順に収録してあるため、別テイクが何曲も続く個所があって、それがわずらわしい人は自分なりに曲順を組み換えて聴くことをすすめる。(市川正二)
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