彼の才能が開花した1945-51年の後の時代は、バド・パウエルのレコーディングは常に驚異的な創造性と不安定な精神状態の微妙なバランスに左右されていた。リハビリ施設での1年半を終えて1953年8月14日に結成されたこのトリオは、彼の後期の録音としては最高峰に位置し、モダン・ジャズ・ピアノを語る上で欠かせない存在になっている。ベースにジョージ・デュビビエ、ドラムにアート・テイラーを従え、パウエルもご機嫌で演奏も絶好調、一連のスタンダードやバップ・チューンにダイナミックな抑揚を加えて、実に生き生きと自分の世界を作り出している。「Autumn in New York」と「Sure Thing」ではパウエルの典型的なスタンダードへのアプローチが展開されている。前者では幻想的なアレンジを施し、後者では風変わりなバロック調に近い一面を披露している。「Polka Dots and Moonbeams」はしみじみと、「I Want to Be Happy」は対照的にのびのびとプレイしている。バップ調ブルースの「Collard Greens and Black-Eyed Peas」ではゆったりとした雰囲気で息の合った所を見せ、パウエル作の「Glass Enclosure」(彼がマネージャーに半ば奴隷として閉じ込められていたアパートが題材になっている)は、複雑な心理変化を表現した緊張感あふれる演奏になっている。ルディ・バン・ゲルダー監修によるニュー・ヴァージョンはさらに素晴らしい内容になっている。リマスターにより、表情豊かなパウエルのピアノを忠実に再現され、さらに未発表5曲、「I’ve Got You Under My Skin」と4曲の別ヴァージョンを収録。いずれも天才パウエルの新たな一面を聴くことができる曲ばかりだ。(Stuart Broomer, Amazon.com)

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